ゴキブリによる卵を発見したときは、そのままにしておかないようにしましょう。放置しておくと孵化してしまい、大量発生につながります。
この記事では、ゴキブリの卵の特徴や主な産卵場所、もし卵を見つけた場合の駆除方法などを解説します。
目次
ゴキブリの卵は、「卵鞘(らんしょう)」という殻の中に入っています。卵鞘の大きさは種類によって異なりますが、5〜10mm程度であることが一般的です。
長方形やガマ口型で、黒に近い茶色や濃い茶色をしています。部屋の隅や戸棚の中で小豆のような物体を発見したときは、卵かもしれないと疑ってみましょう。
一般的に民家の中でよく見かける種類は次の表のとおりです。それぞれの卵の特徴もまとめているので、確認しておきましょう。
種類 | 卵鞘の大きさ | 卵鞘の色 | 卵鞘の形状 | 卵の数 |
クロゴキブリ | 7〜10mm | 黒に近い茶色・濃い茶色 | ガマ口型 | 10〜20個 |
ヤマトゴキブリ | 7〜10mm | 黒に近い茶色・濃い茶色 | ガマ口型 | 10〜20個 |
ワモンゴキブリ | 7〜10mm | 黒に近い茶色・濃い茶色 | ガマ口型 | 10〜20個 |
チャバネゴキブリ | 4〜6mm | 薄い茶色 | 長方形 | 30〜40個 |
卵の数は種類によって異なりますが、1個の卵鞘の中には10〜40個程度の卵が入っており、時間が経つと一斉に幼虫が産まれます。孵化する大量発生につながるため、卵を発見した場合は早急に処理することが大切です。
日本全国に生息している種類で、家の中でもよく見かけます。大きいタイプで、体長は30〜40mm程度です。
光沢のある黒褐色をしています。卵鞘の色は黒寄りの茶色もしくは濃い茶色で、サイズは7〜10mm程度です。
産卵回数が多いことも特徴です。そのため、大量発生しやすいため注意しなければなりません。目安となる産卵の回数は約17回です。1つの卵鞘には約20個もの卵が存在しているため、単純計算で、1匹のメスから「17×20=340匹」もの幼虫が産まれることになります。
ふんによって家が汚れたり、アレルギーの原因になったりもするため、卵を見つけた場合はすぐに処理しましょう。
日本固有の種です。他と比較するとやや小さく、体長は25mm程度で、艶のない黒褐色をしています。
一般的なゴキブリは寒さに弱いのですが、ヤマトゴキブリは寒さに強く、北海道にも生息しています。この種類の大きな特徴は、気温が低い時期でも産卵することです。
ほとんどのゴキブリは気温が20℃以下になると繁殖活動をストップしますが、ヤマトゴキブリは寒い時期でも産卵し、数を増やします。
家の中と外を行き来しながら生活していることが多いため、発見した場合は、どこかに侵入経路があると考えましょう。
発生を防止するためには、小さな隙間や穴をふさいでおくことが重要です。
体長30〜40mm程度のゴキブリで、光沢のある茶褐色をしています。クロゴキブリと同程度か、それ以上の個体もあるでしょう。
暖かい地域を好む傾向があり、一般住宅の中では、下水管やマンホール内、ボイラー室やゴミ置き場などでよく見かけます。
卵鞘は黒っぽい茶色をしていることが多く、サイズは7〜10mm程度です。1個の卵鞘の中には、10〜20個の卵が入っています。
基本的には群れで生活しているため、卵が見つかった場合は、隠れた場所にも潜んでいると考えたほうがよいでしょう。
体長10〜15mm程度の小さな種類です。成虫は淡い黄褐色をしており、背に黒い斑紋が1対あります。
寒さに弱く、暖かい場所を好む傾向があるため、飲食店や事務所ビルなどで見かけることが多いでしょう。
チャバネゴキブリの卵鞘は、他のゴキブリの卵鞘とは異なり、柔らかくて四角い形をしています。卵の数が多いこともチャバネゴキブリの特徴のひとつです。
卵鞘は薄い茶色をしており、5mm程度と小さいのですが、中には30〜40個もの卵が入っています。孵化すると大量発生につながるため、すぐに処理しましょう。
ゴキブリの卵を発見したときは、すぐに駆除しましょう。放置しておくと、ゴキブリの大量発生や家の汚染などの被害が発生する可能性もあります。
アレルギーや病気の原因にもなるため注意しましょう。
ゴキブリの卵を放置しておくと、当然ですが孵化してしまい、ゴキブリの大量発生につながります。
産まれたゴキブリが成長して新たな卵を産むというループに陥り、どんどん数が増えてしまう可能性もあるため注意が必要です。1個の卵鞘だからといって油断せず、しっかりと駆除しましょう。
家の汚染につながることも、卵を放置しておくリスクのひとつです。気づかずに踏んでしまい、床などが汚れてしまうケースもあるでしょう。
また、ゴキブリはさまざまな病原菌を運んでいます。卵にも病原菌が含まれている可能性が高いため、見つけた場合はすぐに駆除することが大切です。
ゴキブリの卵が原因で、病気やアレルギーが発生する可能性もあります。ゴキブリの卵と気づかずに触ってしまい、菌に感染することもあるかもしれません。
感染する可能性がある病原菌としては、サルモネラ菌・チフス菌・大腸菌などが挙げられます。サルモネラ菌に感染すると食中毒を引き起こし、腹痛や下痢などの症状が発生するため注意が必要です。
チフス菌は高熱や頭痛の原因に、大腸菌は嘔吐や下痢の原因になるため注意しましょう。
卵を産むタイミングは、ゴキブリの種類によって異なります。以下、産卵のタイミングについて、大型と小型に分けて紹介しますのでチェックしておきましょう。
クロゴキブリ・ヤマトゴキブリといった大型の種類は、一般的に7〜10月にかけて産卵します。ただし、気温などによっては産卵タイミングがずれるケースもあるでしょう。
産卵の回数は、次のとおりです。
たとえば、クロゴキブリの場合、卵鞘を産み付けたあと、1〜2週間後に再び卵鞘を産みます。このサイクルを10〜17回程度繰り返し、1匹のメスが200〜340匹の幼虫を産むことになります。
卵鞘は約40日で孵化するため、見つけた場合はすぐに処理することが大切です。
小型のチャバネゴキブリは、基本的には1年中いつでも産卵します。とくに飲食店や事務所ビルなどの中は暖かく、チャバネゴキブリにとって快適な環境であるため、産卵が続いて大量発生してしまうケースもあるでしょう。
ただし寒さには弱いため、気温が20℃以下になると、生存はできますが産卵はストップします。
産卵する回数は、4〜8回程度です。お尻から出た卵鞘を20日ほど抱え続け、落下させると同時に孵化します。
さらに1週間ほど経つと新しい卵鞘が出てきます。このサイクルを4〜8回程度繰り返し、1匹のメスが150〜300匹程度の幼虫を産むでしょう。
どこで産卵するかもゴキブリの種類によって異なります。種類ごとの主な産卵場所は以下のとおりです。
大型の種類は多湿で、見えにくい場所に卵を産み付けます。具体的には、シンクやガスコンロの下、排水溝の隅や家具の裏などに産み付けるケースが多いでしょう。
食器棚や引き出しの中などに産み付ける場合もあるため、定期的にチェックしておくことが重要です。
また、段ボールや古紙を置いておくと、ゴキブリが繁殖する温床になります。段ボールの中や古紙の隙間は暖かく、ゴキブリが好む環境です。気づかないうちに産卵場所になっている可能性もあるため注意しましょう。
卵鞘を産み付けたあとは、粘着性のある分泌液を出して固定します。さらに、クロゴキブリやワモンゴキブリは、紙くずや木くずなどで卵鞘を覆い隠すこともあります。
小型のチャバネゴキブリは、巣の中や巣の周辺で産卵するのが一般的です。前述のとおり、チャバネゴキブリは自身と同等の重さの卵鞘を孵化直前まで抱えるため、移動するケースは稀です。
餌を探しに行くこともなく、基本的にはじっとしており、巣の中や周辺で産卵します。
卵鞘をふんと間違えてしまうケースもありますが、大きさに注目すると簡単に見分けられます。
ふんは、1〜2.5mm程度でそれほど大きくありません。一方、卵鞘は4〜10mm程度であり、ふんより大きいのが特徴です。
また、ふんの中には独特のニオイをまとっているものもありますが、基本的に卵鞘にはニオイはありません。
もし卵を見つけてしまった場合は、卵は潰しその後に捨てる、熱湯をかけるといった方法で駆除可能です。それぞれの処理方法のポイントは、以下のとおりです。
そのまま捨てると卵がかえってしまう可能性があります。そのため、卵を潰したうえで捨てるようにしましょう。直接触れると病原菌に感染してしまう可能性もあるため、素手ではなくゴム手袋を活用してから処理することが大切です。
ゴム手袋を着用したら、トングのように直接触れずに掴める道具を用いて、卵鞘をビニール袋に入れましょう。ビニール袋に入れておけば、卵鞘を潰したときに中の卵が飛び散るのを防止できます。
ビニール袋を活用することも可能です。ビニール袋を卵の上に乗せて卵鞘を割っておけば、中の卵は湿度を失うため卵がかえることはありません。
卵鞘を潰したら、ビニール袋の口をしっかり縛ってからゴミ箱に捨てましょう。ニオイで他のゴキブリを引き寄せてしまうケースもあるため、きつく縛っておくことが大切です。
卵鞘を潰してから、トイレットペーパーに包んでトイレに流すのもよい方法です。ただし、潰さずに流すのは避けましょう。
流れた先で孵化してしまう可能性があるからです。しっかりと潰して、孵化できない状態にしてから流しましょう。
熱いお湯も卵駆除に使用できます。ただし、温度が低いと駆除できないため、60℃以上のお湯をかけるようにしましょう。
熱湯を使用するときは、火傷をしたり機械にかかったりしないよう注意しなければなりません。まずは卵鞘を移動させる必要があるため、潰して捨てたほうが早いでしょう。
ゴキブリの卵を見つけたときは、その周辺にも落ちていないか調べておきましょう。建物内に住み着いているゴキブリは、1匹だけとは限りません。
むしろ複数いると考えたほうがよく、産卵の時期にメスが一斉に卵を産んでいる可能性もあります。卵が落ちていた周辺の家具の隙間などをしっかりとチェックしておきましょう。
卵が落ちていた場所の近くには、巣があるかもしれません。毒餌タイプの殺虫剤を置いておき、巣ごと一掃するのもよいでしょう。
室内でピッタリな産卵場所を把握しておくことも大切です。産卵の時期には、さまざまな場所に卵を産み付けているかもしれません。
とくに暖かい部屋や湿気のある場所、栄養源がある場所は、産卵場所になりやすいため、重点的にチェックしておきましょう。
具体例としては、冷蔵庫の裏やシンクの下、排水溝の隅や家具の裏などが挙げられます。家の中だけでなく、庭やベランダにも注意しましょう。エアコン室外機の裏、プランターや植木鉢の下、肥料の袋の周辺などで卵が見つかるケースもあります。
ゴキブリの卵を駆除するときは、掃除機で吸わないようにする、卵があった場所の周辺を除菌しておく、といった点に注意しなければなりません。
それぞれの注意点について詳しく確認しておきましょう。
すぐに処理するために掃除機を使いたくなるかもしれませんが、あまりおすすめできません。掃除機内で卵が孵化してしまう可能性もあるからです。
掃除機で吸い込んでしまった場合は、紙パックを外して、密閉してから捨てましょう。サイクロン式の場合は、中身をビニール袋に入れて捨てると安心です。
繰り返しになりますが、卵鞘は必ず潰してから捨てましょう。そのままトイレに流したり、庭に投げ捨てたりすると、思わぬ場所で孵化してしまう可能性があります。
すぐに捨てたくなるかもしれませんが、焦らず丁寧に処分しましょう。
卵を覆っているのは硬い殻です。そのため、卵にスプレータイプの殺虫剤やくん煙材を使っても効果はありません。
スプレーや煙の殺虫剤は、成虫に対して効果を発揮するので覚えておきましょう。
なお、煙の殺虫剤は使用中に火災報知器が鳴ってしまう可能性があります。火災報知器を鳴らしてしまう以外にも、慌てて部屋に入ってしまい健康被害につながりかねません。
卵を処理したあとは、その周辺の床や壁を除菌スプレーなどで掃除しておきましょう。ゴキブリ自体だけではなく、卵にも多くの病原菌が付いているからです。
床や壁が汚れているケースもあるため、しっかりと掃除しておくことが重要です。
ペットや小さな子どもがゴキブリの卵を食べしまったときは、すぐに病院を受診しましょう。卵に付着した病原菌により、食中毒などを引き起こす可能性もあります。
サルモネラ菌やチフス菌に感染するケースもあるため、放置せずにすぐに専門医に相談しましょう。サルモネラ菌に感染すると、吐き気や38度近くの発熱などの症状が現れてしまいます。また、チフス菌に感染すると3週間ほど症状はありませんが、その後高熱や頭痛などの症状が引き起こされます。
ゴキブリの卵を処理することだけではなく、そもそも卵を産ませないような対策を講じておくことも重要です。具体的には、毒餌を使って駆除する、卵を産み付けられる場所を減らす、ゴキブリの侵入経路をふさぐといった対策をしておくとよいでしょう。
各対策の詳細は以下のとおりです。
卵を処理しても、建物内に住み着いているゴキブリを駆除しなければ、再び卵を産み付けられてしまいます。卵を発見した場所の周辺は、巣があったりゴキブリの通り道であったりするため、毒餌を置いておくと効率よく駆除できるでしょう。
毒餌には殺虫スプレーのような即効性はありませんが、置いておくだけでゴキブリの姿を見ることなく駆除できます。巣の中にいるゴキブリを駆除できることも毒餌のメリットです。
ゴキブリには共食いする性質があるため、1匹が毒餌によって死ぬと、その毒を含む死骸を別のゴキブリが食べます。結果として、巣の中にいるゴキブリまで連鎖的に退治できるのです。
産卵前のメスが毒餌を食べた場合は卵にも毒が回るため、仮に産卵した場合でも孵化することはありません。卵を発見した場所や、湿気が多くゴキブリが好みそうな場所に、複数個の毒餌を置いておくとよいでしょう。
卵を産み付けられやすい場所をできるだけ減らすことも大切です。
たとえば、古い段ボールや古紙を捨てるだけでも効果があるでしょう。ゴキブリは、狭くて暖かい場所を好むため、段ボールの隙間などに住み着くこともあります。
段ボールの下に卵を産み付けられるケースもあるため、不要な段ボールは早めに処分しましょう。
古紙にも注意が必要です。紙は湿気を吸収しやすく、ゴキブリが繁殖する温床にもなります。また、ゴキブリは雑食であり、餌がなくなると紙を食べて生活することもあります。
ゴキブリの生存を防止するためにも、古紙や段ボールを放置しないことが重要です。
古紙や段ボールのほか、餌になりそうなものを減らすことも心がけましょう。ゴキブリは餌が多い場所に住み着き、産卵する傾向があります。
食べ物はもちろん、ほこりや髪の毛もゴキブリの餌になるため、定期的に掃除をして常に清潔な状態にしておきましょう。
ゴキブリが好む玉ねぎや調味料の保管場所にも注意しなければなりません。侵入できないよう、密閉容器か冷蔵庫に入れて保存するのがおすすめです。
生ゴミが発生したときは、すぐに捨てましょう。
家の中のゴキブリを駆除しても、外部から再度侵入される可能性もあります。ゴキブリは小さな隙間からでも侵入できるため、家の中を点検して侵入経路をふさいでおきましょう。
具体的な場所としては、玄関やベランダ、エアコンのドレンホースなどが挙げられます。
玄関やベランダについては、隙間を完全にふさぐのは難しいため、待ち伏せタイプの殺虫剤やゴキブリが嫌うアロマスプレーを吹きかけておくのがおすすめです。靴箱の下などに、毒餌や捕獲トラップを設置するのもよいでしょう。
エアコンのドレンホースにも注意が必要です。ドレンホースの先端は、室外機の近くに設置されています。
とくに対策をしていない場合、ドレンホースを通って室内へ侵入される可能性もあるため注意が必要です。ドレンホースの先端に、ホームセンターなどで購入できるフィルターを設置しておくとよいでしょう。
さまざまな対策を行っても、隠れた場所にいるゴキブリまで完全に駆除するのは簡単ではありません。家の中のゴキブリを徹底的に駆除したいときは、プロの業者に相談するのがおすすめです。
プロに依頼すれば、ゴキブリの成虫はもちろん、卵や死骸までしっかりと処理してもらえます。基本的には外出中に作業してくれるため、ゴキブリの姿を見ることもありません。
ゴキブリに関する専門知識をもとに、再発生を防止する対策も行ってくれます。小さな隙間をふさぐ、ゴキブリを寄せつけない薬剤を使うなど、丁寧に対応してくれるため、ゴキブリのいない生活ができるようになるでしょう。
ゴキブリの卵を発見したときの駆除方法や、卵を産ませないための対策について解説しました。ゴキブリは、冷蔵庫の裏やシンクの下、家具の裏など、湿気のある場所や栄養源がある場所の近くに卵を産む傾向があります。
放置しておくと孵化してしまい、ゴキブリの大量発生につながるため、しっかりと潰してから捨てましょう。
卵を発見した場合は、ゴキブリが家に住み着いている可能性もあるため、プロの業者に駆除を依頼するのがおすすめです。「ゴキブリ駆除24」なら、ゴキブリの卵はもちろん、巣の中に隠れているゴキブリまで徹底的に駆除します。24時間いつでも対応しますので、お気軽にご相談ください。